音楽活動40周年記念して6人のトップ・ピアニストととのデュオ・アルバム「My Dear Pianists〜チンさんと6人のピアニスト〜」をリリースしたチンさんこと鈴木良雄のCDリリース記念コンサートが2月8日、紀尾井ホールで開催された。
チンさんは、2009年度の「南里文雄賞」も獲得し日本ジャズ界の重鎮としてその実力、功績をあらためて高く評価され、図らずも、受賞記念のコンサートとなった。
今回のコンサートは穐吉敏子、イサオササキ、野力奏一、山本剛の4人のピアニストが登場、珠玉のデュオを聞かせてくれた。
彼らとの出会いについてチンさんから説明があったが、穐吉には、ここ数年帰国ライブを行うときは必ずと言っていいほどベーシストに依頼されているとのこと。ササキは、73年から85年までニューヨークで活動していたときにめぐり合い、彼の作曲の才能に驚かされて以来の付き合い。野力とは「イースト・バウンス」時代から「BASS TALK」の今に至るまでチンさんが作曲し野力がアレンジという強力なパートナー関係。山本は、チンさんがプロのミュージシャンになって間もない頃からの永い付き合いだそうだ。
最初は、野力奏一とのデュオで"My DearFriends"、"Fairy Dance"など4曲を演奏、チンさんの人柄がにじみ出る温かい演奏に酔わされた。2番手は、山本剛、"Game Boy""The Moment"など比較的古い曲をグルーヴィーに演奏。休憩をはさんでイサオササキが登場、ベルン交響楽団首席コントラバス奏者である甥子さんから借りたというベースを使用しイサオとバーンスタインの曲を演奏、弓を使用したパートでは室内楽を聞いているような優雅な気分になった。
最後は、巨匠、穐吉敏子の登場。このコンサートはPAなしで行われ、ピアノの音が大きくベースの音が隠れてしまう部分があったのだが、穐吉とのデュオでは両者の音が聞き手に迫ってきて、はっきりと聞こえてきた。
チンさんも先程までとは違って気合が感じられ、穐吉のプレイには無駄な音がなく、ベースとの見事なコラボレーションが繰り広げられていた。穐吉のピアノは、CDで聞くとテクニックの衰えが感じられる部分があるのだが、コンサートでは、それを補って余りある入魂の演奏で格の違いを見せ付けた。
ジャズはエモーションが重要だということを改めて感じさせられたステージであった。
会場からもその都度大きな拍手が湧きチンさんもうれしそう。CDに参加した、小曽根真とケイ赤城を聞くことは出来なかったが、これだけの充実したコンサートはめったに聴くことは出来ない。
これからもチンさんの活躍を期待したい。(2010.2.9)