3月31日、桜が満開というのに雨から雪にかわる寒い日、目黒区・自由が丘にあるレストラン&バー「アンクル・トム」にフルートの井上信平を聞きに行った。
アンクロ・トムは自由が丘駅から都立大方向へ徒歩2分くらいのオクズミビルの地下1階にある。開店して19年になるそうで、グランドピアノの周りのカウンターとテーブル席で20人くらい入れるこじんまりした落ち着いた雰囲気の店。毎週金土曜日にライブを行っている。

井上はバークリー音楽院、マネス音楽院を卒業したテクニシャン。
ジャズからボサノバ、ラテンと守備範囲は広い。
現在、ハービー・マンと共演のCDを製作中。国内ではベースのチンさんの新しいグループにも参加し新たなサウンドづくりを行っているそうである。

この日私は2セットを聞いた。ラテンジャズでピアノとのデュオということでラテンのバイタリティや底抜けの明るさというサウンドではなかったが両者の技量がストレートにぶつかり合うスリリングな演奏を聞くことが出来た。
演奏された曲はラテンの曲のほかにジャズで取り上げられる”Someday My Prince Will Come” ”Berny's Tune””Dahood””Autum Leaves”などもあったがいずれもラテンのリズムを強調しアドリブもブルーノートを使用しないためか独特のサウンドであった。
井上のフルートは何といっても音色がきれいで透明感のある美しいソロが魅力だ。
フルートはサックスなどと異なりどうしてもダイナミックさに欠けるが、井上はハイノートでも太いトーンでスピード感あふれるフレーズを連発。時折ダーティートーンを効果的に使用するなどみごとにこのハンディを克服しエキサイティングな演奏を行っていた。
ピアノの平田文一の話では ラテンジャズと一口言ってもキューバ系とサルサ系は違うのだそうだが、ラテンジャズ、フルートといずれも日本ではまだマイナーな存在だが是非井上の活躍を期待したい。(2001.4.1)

 



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