以前 は”ロミ・アンド・ジョーカーズ”でコーラスのリード・ボーカルをやっていました。今は、ソロですが、コーラスとソロではどのように違うのですが。
コーラスとソロの歌は全く別物です。
ソロで歌う時はバックの演奏を聴きながら それに答えるようにリズムのノリも音も自由に自然と変わります。でもコーラスの場合はハーモニーの中で担当する音も決まっているし全員でアレンジ通りにノリを合わせなくてはならないので勝手に一人で盛り上がる訳にはいきません。
盛り上がり易い性格?(笑)の私は苦労しました。ソロで歌ってクセが付くとコーラスに戻るとノリが全然合わなくなるんです。
それで当時はレパートリーをソロ用とコーラス用に分けていましたね。
個性的なソロ歌手が集まってコーラスをすると悲惨ですよ(笑)
本作は4年半振りのニュー・アルバムですが、アレンジが行き届いてすてきなアルバムですね。準備に相当時間をかけたのでしょうか。
はい。楽器の編成もリズムも雰囲気も1曲ずつ全く違うものにしたかったので まずは私が1曲1曲こんなイメージでとリクエストしてそれから福井さんがベーシックなアレンジをしてくれて それを実際の音に軽く再現しながら又変更したり練ったりしました。
福井さんも私も忙しい中 自宅やスタジオや居酒屋(笑)で相談。
12曲で3ヶ月位は掛かりました。
バックのメンバーは福井ともみ(Pf,Arr)、山下弘治(B)、滝幸一郎(Ds)、高嶋宏(G)、岡淳(Sax,Fl)、横山達治(Perc)というJ-ジャズの実力派が参加していますが、日頃一緒に演奏してるメンバーですか。どのように選考したのですか。
殆んどのメンバーは度々一緒に演奏しているミュージシャンです。
福井ともみさんは私が一番信頼している素晴らしいピアニストです。弾いている表情も楽しい!
今回はアレンジでベースのアルコ(弓)を使いたかったので名手、山下さんに、ドラムは8ビート系の曲もあるのでタイトなリズムの滝さんに。
ジャジーでブルージーなギターが欲しい〜で高嶋さん。岡さんは昔から知ってますがサックスもフルートも両方最高です。
パーカッションの横山さんは初めてご一緒させて頂きましたが福井さんが横山達治バンドのレギュラーなので大先輩ですが紹介して貰いました。
選曲はどのように行いましたか。スタンダード中心ですが、” Song for My
Father”のようなインスト曲もありますね。
私だけかもしれないけどバラード集とか同じタイプの曲が続くとどんな名作アルバムであっても途中で飽きてくる。
それで今回は 聴く人が1枚のアルバムを通して聴いても飽きないアルバムというのを作りたかった。
その為にアルバムを何かのコンセプトで統一するのでなく思いっきりカラフルにしたかったのでなるべく色々な違うジャンル、雰囲気の曲を選び1曲1曲違うリズム、アレンジにしました。
人によっては色々あり過ぎて何をやりたいのかコンセプトが分からない、と言う方もいたけどそれがコンセプトだったのです。
私は、”Song for My Father”がとても気に入っているのすがラテン調のアレンジのアイデアはどのようにして出たのですか。
気に入って頂いてありがとうございます! 私もこのCDの中で一番気に入っています。
詩に関しては調べても ホレス・シルバー自身が書いたものかははっきり分からなかったのですがとても素敵な詩なのです。“お父さん、貴方の歴史の中に私が存在する事を誇りに思います”と。
父が高齢なので元気な内に是非父に聞いて貰いたかった。
ラテン調のアレンジにしたのは、私が昔からサンタナが好きでして。 青春の思い出も絡んでいるのですが・・・(笑)
元々ホレス・シルバーの演奏もポルトガル生まれの実父に捧げられた名曲でボサノバ調というか軽いラテン調なのでそれにパーカッション&ギターを入れ盛り上げて派手派手にサンタナ風にした〜いと提案しました。
かなりイメージが変わって面白かった!
あなたにとってジャズの位置づけはどのようなものですか。ジャズ・ボーカルとポップ・ボーカルとの違いは何ですか。
ジャズの位置づけと言われると難しいですが・・・ 私にとって生きる事イコールJazz なので。
ジャズ・ボーカルとポップ・ボーカルとの違いに関してですが、リズムに関してはバラード、8ビート系(英語で歌うボサノバ、ラテンを含む)はそれほどの違いは感じませんが4ビートのリズムはジャズならではの特殊なリズムだと思います。
4ビートのノリを一生掛けて追求するかどうかがジャズ・ボーカルとポップ・ボーカルとの違いかもしれませんね。
その他にジャズ・ボーカルが特に追求する物といえば“深さ”とか“粋”とか。
これは真似して出来るものではなく 人生やその人の魂からにじみ出るもの。偉大なジャズ歌手は“深〜い”です。
私にとっても永遠のテーマです。
最近、若いシンガーでジャズ曲を取り上げたジャージー(ジャズ・ボーカルとはいえない)でダンサブルなアルバムも人気ですが、どう思いますか。
ガキっぽいのはいやだけどジャズは古過ぎ渋過ぎというポップス以上、ジャズ未満という若い世代にとって一つのスタイリッシュなジャンルとして確立したのではないでしょうか。
世界中リズム主体でメロディアスな新曲が少ない昨今スタンダードジャズはお洒落で最高の素材なのかもしれませんね。
日本人のリスナーに英語で歌うことをどう思いますか。私はジャズは英語でなければならないと思っていますが。
J−ポップを聴いて感動した時など私も日本語で歌えたらもっと伝わるのにな〜と思うことはありますが・・・
口惜しいかなジャズは絶対に英語でないとダメだと思います。日本語ではノリが全く違うので無理なのですね。
言葉の無いインストの演奏でさえも英語でノってるんだと感じます。なにしろジャズはアメリカの伝統芸能ですから。
日本で英語のジャズを歌うからには 歌詞の内容を歌う前に説明し あとは音としての声の表現や表情、オーラ(笑)で伝えるしかないと思う。
普通、ボーカル・アルバムは歌詞カードがついていますが、本作では歌詞カードがありません。なぜですか。
私自身は歌詞を大切に歌っているつもりなので歌詞カードを付けたいところですが
スミマセン! ページ数指定されて・・・単に予算が無かった〜!
このアルバムではどのようなことを伝えたいと思っていますか。
ジャス、ポップスを含めて生き残ってきた永遠のスタンダードナンバーの素晴らしさ。そして歌手として飾る事なく全身全霊で歌い伝える事の素晴らしさ。
あなたの尊敬するミュージシャンはだれですか。いつもどのようなCDを聞いていますか。
やはりボーカル系をよく聴きます。
最初に好きになったジャズ・ボーカリストはアニタ・オデイでよく聴きました。真夏の夜のジャズのアニタは本当にカッコ良かった〜!
エラフィッツ・ジェラルド、サラ・ボーンはもちろん。今でもエラとサッチモのデュエットアルバム大好きです。
クリス・コナー、キャロル・スローン等 白人系のモダンな歌も好き。
最近はロレツ・アレキサンドリア、ビリ・ホリデイもよく聴きます。
今後どのような音楽を目指していますか。また、活動の計画を教えてください。
以前に知り合いの方が私の歌を評して“ロミさんの歌はオーガニックだね”と言いました。オーガニックとは化学物質を使わない自然栽培の事です。
スタイリッシュじゃないけど自然に飾らない心からの歌を歌っていきたいです。
でも時にエモーショナルになり過ぎる事があり泣き過ぎ〜!と苦言を貰うのでそこら辺が課題です。
これからも基本はジャズでそれををベースにして色々な曲を歌っていこうと思います。
ワインが熟成して美味しくなるように私も歳を重ねる毎に素敵な歌が歌えるようになりたいです。
(2008.12.31)