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Jazz Pageインタビュー Jazz Pageインタビュー
井上さんご自身について

----- トップ・ベーシストとして多くのミュージシャンから引く手あまたですね。現在、レギュラーとして活動しているグループを教えてください。

現在定期的に活動しているグループは、大西順子トリオ、渡辺香津美ジャズ回帰プロジェクト、塩谷哲トリオ、大野雄二&ルパンティックファイブ、大野雄二トリオ、竹内直カルテット、ニューヨークスタンダード・カルテット、佐山雅弘トリオ、等です。


----- 楽器の性格上、リーダーとしてではなくサイドメンとしての活動が多いと思いますが、自身の個性、アイデンティティを発揮するためにどのような気持ちでプレイしていますか。


気持ちの上では相手がより気持ちよく演奏できることが絶対条件と考えています。あまり無理に自分の色を出そうとせず、よい音色、よいグルーブ、そしてバランス感覚のとれたインタープレイ等に心がけています。しかし最終的には本能が示すところを信じるようにしています。


----- 最近のリーダー・アルバムでは「ライフ」で 小曽根真 (Pf) 、 渡辺香津美 (G) 、川嶋哲郎 (Ts) 、大坂昌彦 (Ds) が参加しています。リーダーとして演奏する場合、メンバーにどの程度指示するのですか。アレンジした楽譜を渡したりするのですか。

曲によってまちまちです。アレンジした譜面を渡したものもあれば、ほとんどアレンジのないもので、現場で作っていったもの、そして逆にメンバーがアイデアを持ち寄ったものもあります。いずれにしても大変音楽を作り上げていく能力に秀でたメンバーばかりなので、あまり細かいことは指定せず、大まかなビジョンのようなものだけを少し伝える程度でした。思ってもみないようなものが生まれるのもジャズの演奏の醍醐味と思っています。


----- 最近共演して印象に残っているミュージシャンは誰ですか。

レギュラーで演奏しているみんなが、毎回、印象に残る演奏をしてくれるので名前を挙げるのは難しいですが、カナダのピアニストでソフィーミルマンとたびたび来日しているピアニスト、ポール・シュロフは非常にダイナミックでかつ繊細、音楽的にも深くバランスのとれたミュージシャンでした。あと、ニューヨークに住んでいたころ、一緒にバンド仲間だった、ドラマーのエリック・マクファーソンと久々に共演しました。大西順子トリオのヨーロッパ公演での共演だったのですが、しびれるようなシンバルレガートにぞくぞくさせられました。


----- ベースは、室内の音響、P状態、ミックスダウンなど外部の要素でリスナーの感じる音質が全く異なってきます。ライブやレコーディングの時、どのようなチェックをしていますか。

ベースの音色にはとことんこだわっています。より自然な音、そして自分が弾いているのとなるべく同じダイナミクスで音が届くように気を配ります。不自然な音の処理はなるべく避けてもらうようにエンジニアともよく話し合います。機材は場所によっていろいろと変えることもありますが、目的はあくまでも自然な音とバランスです。
「ターナラウンド / 小橋敦子+井上陽介」について
----- 小橋敦子(Pf)との共演は始めてだそうですが、どのような印象ですか。

非常に感性の鋭い音色を出すピアニスト、というのが第一印象でした。そして数少ない物語を語れるミュージシャンで、演奏しているとその物語性に引き込まれていきました。こちらもいろんな引き出しを開けられた、そんな感じです。


----- 収録曲は、小橋敦子の選曲ですか。リハーサルはどの程度行ったのですか。

おおむね小橋さんの選曲ですが、僕が普段やっているレパートリーなどもチェックしていただいていたようです。リハーサルは一日別な日にやりました。後は当日に打ち合わせる程度でしたが、スタンダードナンバーにしろオリジナルにしろ、とても豊かなイマジネーションで演奏のヒントを出していただいたのでとてもやりやすく、かつ興味深かったです。


----- "If I Were Bell"では、いきなりアドリブから入り濃密なインタープレイで惹きつけ、4ビートでグルーヴし最後にテーマで終わるという展開でデュオの醍醐味を感じさせるすばらしい演奏です。事前に曲想の打ち合わせを行っていたのでしょうか。

この曲のインタープレイから始まるというのは小橋さんのアイデアでした。ただどのくらいやるかとかどんな展開をするかということはその場の成り行きです。最少編成のデュオならではの展開の自由さでしょうか。


----- ”Amstel Delight”は小橋敦子のオリジナルですが、ベースのファンキーなパターンが親しみを感じさせます。また、ベース・ソロではテクニカルなフレーズで魅了されます。これらは、その場でひらめいたものですか。

そうですね。その場のひらめきによるところが大きいです。


----- 今回は、ピアノとのデュオですが、ホーンやギターとのデュオの場合と比べ演奏のやり方は変わりますか。

特に共演する楽器によって特別に演奏を変えようとは思いませんが、良い音楽を作るため、と考えたり感じたりして演奏するので、当然、編成が変わると演奏のやり方や音色、音程の取り方も変わってくると思います。あくまで本能的に判断しての話ですが。



----- 最後に、井上さんご自身の来年(2011年)の抱負を聞かせてください。


ここ最近、ますます演奏するのが楽しくなってきて、そして演奏のビジョンがより明確になってきたので、ありきたりですが、沢山、良い演奏を皆様にお聞かせしたいです。もちろん自分のグループでの活動も積極的に行いたいと思っていますのでよろしくお願いします。

(2010.12.15)

小橋敦子(Pf)のプロフィール
小橋敦子のアムステルダム・レポート

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