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Jazz Pageインタビュー Jazz Pageインタビュー
もともとクールジャズが好きで、リー・コニッツに心酔していました。アート・ペッパーも好きですね。
-----昨年、いきなりメジャー・レーベルから「ストラッティン」でデビューしましたが、感想を聞かせてください。その9ヶ月後には2ndアルバム「デイブレイク」を発表するという異例の早さですね。

ピアノの納谷嘉彦さんの紹介でポニーキャニオンさんからデビューすることが出来ました。大変光栄に思っています。昨年、「ストラッティン」発売後7月から12月と長いツアーを組み40本ほどのライブをこなしました。「デイブレイク」はそのツアーの間にレコーディングを行ったもので、ツアー中に感じたものを入れ込んだつもりです。9ヶ月後に2枚目のアルバムを発表するのは自分でも信じられないですね。


-----納谷さんとはどんなきっかけで知り合ったのですか。

納谷さんのライブに飛び入りで参加させて1曲吹いたのがきっかけです。その後、納谷さんから「一緒に演奏しよう」と言われ甲陽音楽学院を卒業と同時に納谷さんのグループで演奏するようになりました。
納谷さんは、音楽に対してすごく厳しい方で演奏中は緊張感を感じます。ハードバップ、ビバップを極めている方ですね。音楽生活が長いので若手のミュージシャンにはない音の深みがあって、刺激をいただけますし、自分の未熟さを感じますね。でも、オフ・タイムになると親子ほどの年が離れているのでお互いに何で言いやすい間柄です。


-----甲陽音楽学院で勉強したのと実際のライブで勉強するのとでは違いますか。

専門学校では、知り合い 関係者とか身内の盛り上がりで止まってしまいますね。
プロになって外で演奏するときにはそれではだめで、はじめて聞きに来る方もいらっしゃいますから自分のプレイを受け入れて貰って本当に楽しんで帰って頂けるような演奏を求められる非常に厳しい世界だと思います。


-----本作のコンセプト、狙いは何ですか。纐纈さんのアルトの音が変わったように感じましたが。

ツアーをやっている最中に自分の音楽の方向性が変わって行ったのでそれを出したかったですね。クールジャズを前面に出すことと、また、バンドサウンドを前提としたオリジナルを出そうと思いました。
もともとクールジャズが好きで、リー・コニッツに心酔していました。彼は、他のアルト・サックス・プレーヤーにはない独特の音色とフレージングを持っていて、ぐっと心を掴まれるものがあります。彼は、いまだに現役で新譜も発表していますが、私は、どちらかといえば初期のほうが聞きやすいと思っています。
また、アート・ペッパーも好きですね。特に、50年代頃の演奏は別格です。音が大好きなんです。彼の演奏にはビバップ要素が入っていてフレージングが実によく歌っていますね。 アルト・サックス・プレーヤーとして私が目指しているのはアート・ペッパーです。


-----選曲が多岐に亘っていますが、すべて纐纈さんの選曲ですか。ジョージ・ラッセルなど前衛的なミュージシャンの曲も取り上げていますね。


選曲はすべて自分で行いました。特に前衛的なミュージシャンが好きというわけではありません。単に印象に残っている曲、好きな曲を選んだらたまたま入っていたということでしょうか。


-----纐纈さんのオリジナルは1曲ですが、あまりオリジナルにはこだわらないのですか。

オリジナルはこれからも出来ることなので、今は、ミュージシャンにもリスナーにも自然に受け入れられるようにスタンダードやジャズメン・オリジナルなどを取り上げるようにしました。
アレンジは、譜面に書きますが、演奏する時にその場で変わってくるときもしばしばありますね。


-----メンバー(纐纈歩美(As)、納谷嘉彦(Pf)、俵山昌之(B)、マーク・テイラー(D) はレギュラー・メンバーのようですが、納谷さん以外のメンバーを紹介してください。

俵山さんは、音楽も人柄も繊細な方ですね。俵山さんがいなければ今のメンバーはまとまらないと思います。色々な所でいいタイミングでフォローしてくれます。マークは、ニューヨークに住んでいますが、納谷さんの紹介でメンバーに加わりました。ツアーの時だけ来日して一緒にプレイしますが、アメリカのミュージシャンだと思います。日本にはこのようなプレイをするミュージシャンはいないですね。よけいなことをしないのに存在感を感じますね。普段は、すごいメンバーと一緒に演奏しています。二人ともビバップ、ハードバップを極めているので、いい人にめぐり合ったと感謝しております。


テクニックは大事ですがそれ以上に音を大事にしたいです。音楽の原点は音ですから。
-----最近、女性ミュージシャンの台頭が目覚しいですね。特に、アルトは激戦区のようですが。どのように、他のミュージシャンとの優位性を発揮する考えですか。

10代の方もいらっしゃいますね。沢山のミュージシャンがいますが、クールジャズを演奏している人は少ないと思います。私は、その方向を極めたいと思っています。また、テクニックは大事ですがそれ以上に音を大事にしたいです。音楽の原点は音ですから。


-----NHK大河ドラマ「江」の紀行のテーマを演奏していますが、反響は大きいですか。

「江」の音楽監督の吉俣良さんがポニーキヤニオンの専属であったので私にオファーをいただきました。“詩る”という曲で、以前は二胡で演奏されていましたが、4月から私のアルト・サックスに変わっています。NHKの地上波放送で名前も表示されるので反響は大きいですね。「テレビで聞きました」など、ブログで書き込みをしたとか言われます。ライブでバラッドのイントロでさりげなく演奏したりすると大変盛り上がります。


-----纐纈さんは、甲陽音楽院を卒業されています。甲陽はボストンのバークリー音楽大学と提携していますね。バークリーへ留学する考えはあるのですか。

もともと留学をしたいと思っていましたが納谷さんのグループへ参加するなど環境が変わって名古屋で演奏することになりました。いずれはアメリカへ行ってもっとジャズを勉強したいと思っています。音楽学校ではなく個人についてレッスンを受けることを考えています。そのために、最近、英会話の勉強をはじめました。ツアーでマークと話をするときも必要ですしね(笑)。


-----現在は、名古屋から東京へ活動拠点を移したそうですが、名古屋と東京はどのように違いますか。

東京は、人口が多いので同世代でも上手な人が沢山いて刺激になります。名古屋ではスペシャルライブと呼んでいるライブも東京では普通に行われていますね。 音楽をやるモチベーションを保つ上で東京はすばらしいですね。


-----リー・コニッツ、アート・ペッパー以外に好きなミュージシャンは誰ですか。日頃聞いているCDは何ですか。

チャーリー・パーカー、フィル・ウッヅ、キャノンボール・アダレイ、ポール・デスモンド、スタン・ゲッツ、ジム・ホールです。 日頃聞いているCDも同じですね。


ライブは臨場感といいますか、聴いて下さる皆さんからエネルギーをもらって演奏するので全然違った演奏になります。

-----演奏している時はどのようなことを考えていますか。

自分の出したい音を出す、余計なことをしないで生きた音を出すことを心掛けています。
落ち着いて自分を客観的に見る、自分をクールにすることですね。


-----将来は、どのようなミュージシャンになりたいですか。

息の長いミュージシャンになりたいです。そして、ミュージシャンを超えるアーティストになるのが目標です。音楽家同士で認めてもらえるようになりたいですね。
プレーヤー−ミュージシャン−アーティストという段階があると思っていて、私はいまプレーヤーからミュージシャンの段階だと思います。アーティストはある程度全部やって来て余計な力が抜けて、その人がやることすべてが素晴らしいものになっていると思います。その人がやることがそのスタイルで確立されるということではないでしょうか。


-----最後にファンの皆様へメッセージをお願いします。

アルバム「デイブレイク」を発表しました。デイブレイクとは「夜明け」という意味です。このアルバムを聴いて“これからがんばろう”という気持ちになったり、少しでも元気になってもらえるとうれしいです。そういう願いを込めて作ったので、是非、沢山の人に聴いて頂きたいと思います。
また、是非、ライブに足を運んでください。CDとライブでは違った演奏をお聴かせできます。
CDはある程度の時間に全部を入れなければならないので音がまとまってしまいます。ライブは臨場感といいますか、聴いて下さる皆さんからエネルギーをもらって演奏するので全然違った演奏になります。


是非沢山の人が発売記念ツアーに来てくれることを祈念します。どうもありがとうございました。

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キャリーケースを引き、アルト・サックスの入ったケースを抱えながら急ぎ足でインタビューの部屋へ入ってきました。「これから岐阜へ帰るんです。」とのことで、忙しい合間のインタビューでしたが、質問に真剣に答えていただける表情はジャケットや雑誌のポートレイトの印象とは違うものでした。音楽に対する厳しい姿勢を強く感じたインタビューでした。これかもがんばってください。


(2011.4.26)