Jazz Pageは日本のジャズを中心に新譜アルバムやミュージシャンの活動状況などジャズ情報を毎週発信しています。


 1stアルバムだそうですが、ブルージーでエモーショナルな歌い方に引き込まれました。ジャズを歌い始めてどれくらいになるのですか。ジャズに入り込んだきっかけは何ですか。

  ありがとうございます。ジャズに強く興味を持ったのがちょうど10年前。ヴォーカリストとしてのキャリアは8年です。

  ジャズに入り込んだきっかけは、1999年の夏に行っためいほうJAZZという、岐阜県の山奥で開催されていた野外ジャズフェスティバルです。
  私の中でそれまで、暗い酒場で渋い大人だけが特権的に楽しむイメージ(笑)だったジャズが、
  とてもパワフルでスリリングで開放的で、多くの人々とその音の歓びを分かち合える熱い音楽だと感じたその瞬間から、
  “私がやりたい音楽はこれだ!”と強く思いました。

 

 高校一年の時アメリカに留学しクワイアーのメンバーとして活動されたそうですが、当時のことをお話いただけますか。その時ジャズの勉強もしたのですか。

 学校のクワイアー(※ゴスペルクワイアーではありません)のメンバーとして、コンクールに参加したり、
チャリティディナーショーをしたり、慰問コンサートをしたりと様々な活動をしました。
  一番印象に残っているのは、ちょうど湾岸戦争が勃発した時だったので、母国を離れて闘う兵士達を励ます為に、
  放課後にクワイアーの仲間達と有志で集まり、慰問袋に入れてもらうカセットテープにいろんな歌を録音したことです。
 
  ちなみに当時はジャズにこれと言って興味はありませんでしたが、ガーシュウィンの作品はクワイアーでもよく歌っていました。
  実は当時、ミュージカル俳優を目指していたので、ボイス&ボーカルトレーニングの個人レッスンは留学中にずっと受けていました。

 

 バックのミュージシャンはピアノが大石学、ベースが米木康志、ドラムスがセシル・モンロー。それに、サックスの土岐英史とトップクラスのメンバーですが、どのような経緯でメンバーを決めたのですか。

 2006年にたまたま私のライブを聴いて下さった土岐さんにCDを作ることをすすめられ、その為にぜひ紹介したいミュージシャンがいると名前を出されたのが大石さんでした。 
  それから数ヶ月後のある夜、驚くことに私のスケジュールを知らないはずの土岐さんが、偶然にも私のライブ会場に大石さんを連れて現れたのです。
  自己紹介もままならないうちに“まずは一曲、二人で何か演奏してよ”と土岐さんに言われて「Nearness of you」を演奏したのが全ての始まりです。
  米木さんとセシルさんは大石さんトリオのメンバーでもあり、その縁で今回の最強チームが結成されたのです。

 

 あなたは歌でどのようなことを聴衆に伝えたいのですか。このアルバムでの聞き所は何ですか。

 月並みですが、“愛”とか“生きる喜び”とか・・・そういうシンプルで深いテーマです。
  今回のアルバムでは、いろんな“愛”を取り上げました。恋愛・友情・家族愛...etc.
  超ストレートなラブソングもあれば、応援歌や叙情歌もあります。

 聞き所は、それぞれの楽曲に込められた“愛”を感じていただければ幸いです。
 ほぼ同時一発録りなので、初めてのレコーディングに緊張する私へのメンバーの愛情のこもった音も感じていただけるかと(笑)

 

 スタンダード10曲が収められています。比較的地味な曲ですがどのようにして選曲したのですか。

 えっ地味ですか? 
  私が形に残したいと思ったお気に入りの楽曲を数曲大石さんにアレンジしていただき、実際にライブを重ねて特に気に入った曲を選びました。
  ちなみに「LOVE LETTERS」はもともと私のレパートリーには無く、大石さんの提案で今回初めて取り組んだ楽曲です。
  また、「SAVE YOUR LOVE FOR ME」は収録する予定ではなかったのですが、エンジニアの森本さんのリクエストで追加収録しました。

 

 オリジナルが1曲、あなたの作詞作曲による”手をつないで”という曲が入っています。どのような思いでつくったのですか。
ボーカルでオリジナルというのはめずらしいですが、書き溜めた曲は多いのですか。

 私は基本的に作ろうとして作曲できるタイプではないので、思い入れがあって作ったのではなく、
  たまたま言葉とメロディが同時に降りてきたラッキーな一曲です(笑)
  漠然と私なりの“家族愛”を歌った作品です。普段口に出しては絶対言えない両親への素直な想いもこっそり歌詞に込めました。
 
  普段、自分が興味を持って聴きに行くライブはほぼインストばかりで、殆どオリジナル楽曲のアーティストが多く、
  やはりそのアーティストの個性とか人間性とかはオリジナルの方が伝わりやすいと感じています。
  歌い手として、他人の言葉を借りることなく自分の素直な言葉で歌うのは、一番自分らしさが伝えやすいかなと。
 
  滅多に曲が降りてこないので、曲数はまだまだ非常に少ないです。

 

 あなたにとってジャズとはどのようなものですか。 ジャズ・ボーカルとポップスのボーカルとの違いは何ですか。
 
 私にとってジャズとは、“今生きている瞬間の音楽”です。

 ジャズボーカルとポップスのボーカルの違い。。。難しい質問ですね。
 あまりジャンルを意識したことがないのでわかりません。
    
 私自身はカテゴライズすることがあまり好きではありませんので、自分ではジャズ好きな“歌うたい”だと思っています。


 

 あなたが影響を受けたミュージシャンは誰ですか。最近聞いているCDはどのような音楽ですか。

 多すぎて書き切れませんが、生まれて初めて雷に打たれたような衝撃を受けたのはマヘリア・ジャクソンでした。
  小学二年生の時に買ってもらったクリスマスソングのカセットに入っていたマヘリアのゴスペルが、私の歌うたいの原点と言っても過言ではありません。
 
  最近よく聴いているのは、Richard Bona、Youssou N'Dour、板橋文夫、山下洋輔トリオ、坂田明...etc. 
  vocalではTierney Sutton、Kitty Margolis、Dianne Reevesです。

 

 現在、名古屋を拠点に活動の範囲を広げていますが、名古屋と東京でお客さんの反応など違いはありますか。

 名古屋と東京というよりも、それぞれのライブハウスによって雰囲気や反応が違いますね。
  お客様が熱く盛り上がれる雰囲気のお店では、皆さんを巻き込んでコーラスに参加して頂いたりもします。
  しっとりとしたお店では、デート中のカップルをさらに熱くさせてみたり(笑)

 

 今後どのような歌手になりたいと思っていますか。
 
 .歌い手として、一ミュージシャンとして、長年抱き続けている目標ですが、
  世界中の様々な音と交わって、大きな音楽が表現できるようになりたいと思います。
  そして音楽を通して世界中の人々と音の歓びを分かち合い、心を通い合わせたいと思っています。

(2009.7)

 


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