Jazz Pageは日本のジャズを中心に新譜アルバムやミュージシャンの活動状況などジャズ情報を毎週発信しています。



── あなたが影響を受けたミュージシャンと音楽の種類について教えて下さい。

私の家族。
私の家族は皆ミュージシャン。父方の祖父はブラスバンドやオーケストラのメンバーとして、クラシック・ヴァイオリンとクラリネットを担当し、教会でも演奏していたわ。父はまだ現役でクラリネットとサックスを演奏するのよ。私のすぐ下の弟は現在、故郷で市長を務めているけれど、今もトランペットやトロンボーンを吹くし、時々ヴァイオリンも弾くわ。
母方の祖父もヴァイオリン奏者。
父方の祖父は私が五歳の時から訓練を始めてくれた。早朝四時半から六時半まで教会でアヴェ・マリアやミサをラテン語で歌うの。それが私の日課だった。そして学校から帰るとソルフェージュに取り掛かる。父方の曽祖母もヴァイオリンを演奏するソプラノ歌手だったのよ。それから成長と共に楽器奏者になるための訓練を受けたけれど、結局私は歌手になることにしたわ。

 

── あなたの音楽のバックボーンについてお聞かせ下さい。

祖父と父、二人が私の音楽のバックボーン。
私のCD「A Prelude To A Kiss」のバックボーンは加藤英介氏。アレンジを手掛け、彼のモチベーションはチューン全てに彼自身が描き出したかった色をつけた。才覚に富んだ創作力が曲のアレンジに語りかけているわ。

 

── どのようにして今回のレコーディングのメンバーを集めたのですか。

このプロジェクトについては二、三年前にすでにプロデューサーから聞いていたの。でもその時はまだ自分自身が準備できていない感じだった。私はその時、別のプロジェクトについて考えていたの。でもその後しばらくしてミーティングを持った時には、誰を選抜するかに時間はかからなかった。私は加藤英介氏に電話してくれるよう、菅原氏に頼んで、私とレコーディングすることに興味があるかどうか聞いてもらったわ。そして一、二週間後、すぐに私たちはそのプロジェクトを成立させるに至った。彼はすでに自分のトリオを組んでいたけれど、私はホーン奏者の竹内直氏をメンバーに入れることを提案したわ。

 

── 今回のレコーディングのメンバー達へコメントをお願いします。

テナー・サックスとフルートの竹内直氏は、目で見てそして聴く価値のある人で優秀なミュージシャンであり、また素晴らしい人格の持ち主よ。直ちゃん、ありがとう。

ドラムの吉岡大輔氏。リハーサル中、何か間違えた表現をしているかもしれないと心配になって私が一歩下がってしまう時、彼はいつも私のところに来てくれた。多大なるサポートと素敵なビートをありがとう。

ベースの安東昇氏。ファンタスティックで寡黙な人。エンディングの流れ、ソロ、その他諸々についてグループで意見が一致しない時、彼は特に注意深く聞いていたわ。彼が自分の意見を言う時はみんな思わず笑ってしまうの。彼もまた素晴らしい資質を持っている偉大なプレイヤーよ。

ピアノと編曲の加藤英介氏。レコーディング直前に他の参加プレイヤーと演奏できなかったという点で、彼はちょっと苦労したかもしれないわ。でもそのおかげでギャップを生み出すことができた。プレイヤーは彼ら自身の音(個性)を持っていて、加藤氏はこのグループをリードしながら、私を自分のサウンドに慣れ親しませるように努めたわ。そういったおかげで私たちはうまくやることができた。アレンジからレコーディングまで彼はずっとつきっきりだったけど、決して疲れている様子はなかった。デコボコした音、微妙な音を平らにしながらスタジオに四、五時間こもったこともあったわ。それまで一緒に演奏したことがなかったから、私はとにかく彼のピアノの音を吸収して、慣れ親しむ必要があった。そして主に私の方に合わせるようにして、互いに必要不可欠な変更を取り入れながら、全ての音楽に適応させていったの。

最後に、サウンド・エンジニアの春日氏。彼はとっても優しくて、プレイヤーの疑問・質問全てを受け入れて考慮してくれた。サウンドだけでなく、全てにおいて偉業を果たしたわ。

全てまとめて言うと、私は彼らミュージシャンやエンジニアと演奏できてとても幸せだということね。彼らの性格から音楽まで、本当に全て素晴らしいわ。とっても楽しかった。信じられないくらい彼らは皆タフで、レコーディングのために二日間で十六時間スタジオにこもったけど、誰一人として「疲れた」って言わなかった。

私に(前作に続き)もう一枚CDをレコーディングする機会を下さったプロデューサーの菅原氏と遠藤氏に感謝の気持ちを表したいわ。自分達の仕事で忙しいのにも関わらず、彼らはレコーディングの間、つきっきりでいてくれた。どうもありがとう。

Dedeスタジオの皆さん、どうもありがとう。

 

── 今回のアルバムの基本的なコンセプトについてお聞かせ下さい。

加藤英介トリオと竹内直氏は長い間一緒に仕事をしてきたから、私はゲストみたいな感じだったわ。だからコンセプトは、私が英介さんにあげたチューンからどのように音を作り上げられるかということに向けられた。メロディーラインにリスクを与えることのない、古いけど決して終わることのない美しいチューン。それがずっと私のコンセプトとポリシーであり、できるだけ歌詞がクリアになるようにして、メロディーを変えないようにしているの。でも、最も重要なコンセプトは、(レコーディングのために揃えたバンドで無難に歌うのではなく)ライブやセッションで生まれるような、ジャズに特有のスリリングなサウンドを目指したことね。

 

── 今までの作品と比べて、今回のアルバムにどのような違いを持たせましたか。

違いを持たせたところなんてないわ。でも同時に二つの別の場所にいることは(同時に二つの種類の音楽をやってみるのは)ひょっとして可能かもしれないわね、言ってみれば、これは私が挑戦すべき次のステップ。私は違うタイプの楽曲を歌うのが大好きだし、もしチャンスを与えられたら急いで更なる取り組みをするわ。私は自分の能力を広げる新たな一歩を踏み出せたと思う。

 

<ファンの皆さんへのメッセージ>

皆さんこんにちは。長年にわたる皆さんからのサポート全てに感謝しています。私はまたここにいるわ。過去には取り組んでこなかった新しい何かが詰まった新しいCDと共になって、私は皆さんの家、あるいは車の中にいる。これは私のキャリアの延長でもあり、皆さんが楽しんで聴いてくれることを願っているわ。また私自身もレコーディングを楽しんだ。皆さんに早く会えることを楽しみにしているわ。そしてありがとう。

たくさんの愛を込めて

マリア・エヴァ

(2009.6)



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