学生時代はジャズをやっていたそうですが、プロとしてはロック、ポップスやスタジオ・ワークの分野で活動されてきました。なぜプロとして最初からジャズをやらなかったのですか。
−当時はジャズでプロになれるという考えもスキルもなかったです。そうこうしているうちにロックバンドでデビューが決まり、その関係からいわゆる業界のお仕事やポップスをずっとすることになったんです。
ジャズはずーっと歌い続けてたのですが…。
今回、ジャズ・アルバムを出そうとした理由はなんですか。
−6〜7年前から「やはりジャズを本格的に歌いたい」という気持ちが強くなり、それ迄の経歴を一切捨て一からライブハウスに売り込みに行くという過程をたどりました。そして、ライブ活動を続けてきて機が熟したかな?と思った時に丁度レコード会社からお話を頂きまして。
バックのメンバーは高瀬龍一(Tp,Flh) 、秋山卓(As)、三木俊雄(Ts) 、池田雅明(Tb)など実力者ぞろいですが日頃一緒に演奏してるメンバーですか。どのように選考したのですか。
−三木俊雄、井上祐一、増原巖、高橋徹の各氏とは何年も一緒にライブでやっています。高瀬さんとも一緒にライブをやったことも。今回アルバムを出すにあたって絶対に4管でやりたいという気持ちが最初からあったので、管アレンジもしてもらって常々信頼している三木さんに人選をしてもらいました。
アレンジは三木俊雄としげのさんになっていますが、分担はどのように行ったのですか
−4管の入っている曲は全面的に三木さんにお任せ。その他の曲は、もちろん参加メンバーが色々アイデアを
出してくれたのは当然ですが、最終的に私が、コードや構成を決めました。
あなたにとってジャズの位置づけはどのようなものですか。ジャズ・ボーカルとポップ・ボーカルとの違いは何ですか。
−うーん、難しい質問ですね。ジャズと言えるためには2つあると思ってます。
1つは、ジャズとは「魂」そのものだと思ってますので、自分が「ジャズだ」と思って歌えばジャズになる、という意味合いです。もちろんポップスにも魂はありますが(笑)
もう一つは、やはり「形式としてのジャズ」。これはさらに二つの強力なポイントがあると思います。
一番はリズム=グルーヴ。ジャズならではのグルーヴなくしてはジャズとは言えない、という意味。
二番目はやはりインプロビゼーションです。
ジャズボーカルとポップボーカルの差は、ここで特に表れるのかも?です。
ジャズ・シンガーと呼ばれることに抵抗がありますか。
−抵抗どころか、とても光栄。
フランク・シナトラの”My Way”はジャズですか。サラ・ヴォーンの”ラヴァーズ・コンチェルト”はジャズですか。
−前の質問の答えの第一の意味では両方とも「イエス」第二の一番目の意味でも「イエス」。でも第二の二番目の意味では「ノー」ですね。
L.A.でボイス・トレーニングを学びボイス・コントロールやディクションなどテクニックがすばらしいですが、ジャズの唱法はどのように習得したのですか。誰かジャズ・シンガーに師事したのですか。
−誉めてもらえて嬉しいです。継続してジャズボーカルを習った経験はほとんどありません。が、全てのジャズジャイアンツ(ボーカルに限らず)が私のジャズの先生です。ただ、ピアノを福田重男さんに習ってリズム感やインプロビゼーションを進化させてもらえました。さらに、伊藤君子さん、澤田靖司さんに1ポイントレッスンを受けたこともありますが、両方とも大変ためになりました。
尊敬するシンガー、ミュージシャンはだれですか。
−ユーミン!オフコース!あはは、それはともかくあまりに多すぎて書ききれません(笑)それこそジャズに限らず、全てのミュージシャンを尊敬しますね。
.このアルバムではどのようなことを伝えたいと思っていますか。
今の私の「魂」を感じていただければ…。
選曲はどのように行いましたか。スタンダード中心ですが、”Nica's Dream”のようなインスト曲もありますね。また、”Home Sweet Home”では日本語でも歌っていますがなぜですか。
−元々ジャズを聴きはじめたのがインストで、今でも器楽曲を聴く頻度は高いです。それで自然にインストで歌にしても素晴らしい曲を選んでるのでしょう。
「Home Sweet Home」の日本語「埴生の宿」は私が物心ついた時に、いつも父が歌ってた曲で、私にとっては特に思い入れのある曲です。父は洋楽をほとんど知らないんですが。私は自他ともに認めるファザコンなので(笑)
いつもどのようなCDを聞いていますか。
−ジャズが圧倒的に多いですが、サンバやフレンチポップスも大好気ですね。ジャンルは雑多に聴いてます。
今後どのような音楽を目指していますか。また、活動の計画を教えてください。
−「しげのゆうこ」にしか出せないジャズをもっともっと追求していきたいですね。声やフレーズを聞いたとたんに「しげのゆうこだ!」とわかってもらえるように。そして、レベルの高いメンバーと同じ高みに行きたいです。
活動としては、7月末にCD発売記念ライブで名古屋と大阪に行き、9月にファイナルとして、渋谷JzBratでレコーディングメンバーでライブをやります。そして一人でも多くの人に私の歌を届けたいです。
有難うございました。(2008.7.15)