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カレル・ボエリー・トリオ

4月22日、カレル・ボエリー・トリオ・初来日公演をティアラこうとう 小ホールで聞いた。
カレルは1988年にアルファ・ジャズからヨーロピアン・ジャズ・トリオのメンバーとしてアルバムを5枚リリース。その後、トゥース・シールマンスのグループに参加したりフュージョン系のメンバーとの演奏活動を行った後、再び自身のピアノ・トリオを結成しM&I MUSICから5枚のアルバムをリリースしている。
本国のオランダより日本での人気が高いのではないか。
メンバーは、CD「ラブ・ダンス」や「ミッドナイト・ブルー」と同じハイン・ヴァン・ダ・ガイン (B)とハンス・ヴァン・オーシュタハウトゥ (Ds)。
ハインは名トランペッター、チェット・ベイカーの最後のベースを努めたことでも知られる名手。ハンスはカレルと永年一緒にプレイしてきた盟友だでコンビネーションはこれ以上ない程完璧だ。

演奏は、カレルのオリジナルを中心にスタンダードも数曲織り交ぜる構成で進められた。
小さな会場なのでいわゆるPAという音響装置は使用せず生音での演奏で彼らのリリカルで繊細なサウンドが手に取るように伝わるすばらしいコンサートであった。

【セット・リスト】

1部
1. GO HOME (jenkins)
2. THE MAY Gueradl (Allie Wrubel)
3. Eternal Moon(Karel)
4. Rosa Turbinata( Rogier van otterloo)
5. Look behind the mountain( Karel)
6. Orange City (Karel)
7. Autumn Leaves (Joseph Cosma)

2部
1. Little Princes (Karel)
2. All or Nothing at All (Altman)
3. Gee Baby, Ain't I Good To You (Redman)
4. Amazing You(Karel)
5. Round Midnight (monk)M
6. Gentle Brain (Karel)
7. Poggy Bonzi (Karel)
8. All The things You Are (*Jerome Kern)
9. In my dream (Karel)

1曲目は"Good Bye"を思わせる哀愁を帯びた静かな曲。叙情的なカレルのピアノにそっと息を吹きかけるようにハインのベースとハンスのドラムスが加わっていく。アメリカとヨーロッパの音楽をミックスして独自のサウンドをつくっていますというカレルのMCがあったがクラシックの要素を巧みに取り込みジャズのエッセンスであるインプロビゼーションとインタープレイを交えエレガントに表現する演奏は彼らならではの演奏だ。
テクニックをひけらかすようなことは一切行わず、インタープレイも過度にショーアップするしつこさもない。ボーっと聞いているとBGMのようなイージーリスニンにも聞こえるが内容は非常に高度な演奏を行っているのだ。まさにプロの演奏とはこのようなプレイを言うのではないか。

2ステージでアンコール1曲を含め16曲を演奏したが、オリジナルは"Someday My Prince Will Come"や"You And Night And Music"を思わせるような美しい曲ばかり。ビル・エヴァンスを更にリリカルにスイートにした演奏に魅了された。テンポはミディアム・スローが多く最もノリが難しいところだが、3人は絶妙な間の取り方でしっとりとしたサウンド空間を創り上げていた。私のお気に入りのオリジナル、”Amazing You”ではスインギーな演奏でベースとドラムスがスリリングなチェイスを行うなどライブならではのジャジーな演奏で盛り上がった。一方、スタンダードでは"Autumn Leaves"、"Round Midnight"、"All The Things You Are"を演奏、洒落たテーマのくずしかたやオリジナルのイメージを漂わせるメロディックなアドリブに心を奪われる。

ヨーロッパ・ジャズの真髄を聞かせてくれたカレル・ボエリー・トリオのすばらしいコンサートをもっと多くの人に聞いてほしいと思いながら帰路に着いた。

(2009.4.22)