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小橋敦子ライブ・イン・トーキョー

2009年4月にリリースしたオランダ人ベーシスト、フランス・ヴァン・デル・フーヴェンとのデュオ・アルバム「アムステル・モーメンツ」が好評の実力派ピアニスト、小橋敦子が帰国ライブを行った。
3回公演の内、最初の2回はトップ・ベーシスト、井上陽介とのデュオ、3回目は「アムステル・デライト」のレコーディング・メンバーである春日井真一郎(B)、村田憲一郎(Ds)とのトリオでの演奏。私は、3回目、11月25日のトリオの演奏を聞きに行った。
会場は、表参道のライブハウス「ジャズバード」。3人は1980年代から共演しており、小橋がアムステルダムに移住した後も帰国した際は再会ライブを行ってきた。当日は、3人の古くからのファンと思われる聴衆で満席の盛況であった。

演奏は、3セットで私は最初の2セットを聞いた。”A.F.L”、”Star Eyes”と2005年12月に発売された「アムステル・デライト」からの曲でスタート。最初はぎこちなさがあったが3曲目の”I Wish I New”あたりから3人のインタプレイもしっくり、小橋のリリカルなピアノが際立って美しく響いてきた。
曲の間のMCも控えめにアムステルダムでのエピソードを交えながら曲を紹介、聴衆により親しみを感じさせた。
小橋のピアノは、名手、スティーブ・キューンの影響を強く受けた陰影の深いプレイ。キューンとは今日でも親交を結んでいるという。「アムステル・モーメンツ」をレコーディングした時も電話で「今度、アムステルダムでレコーディングすることになったのだけど、緊張している」と話したら、「それも経験だと思えばいいよ」と言ってくれて楽になりました思い出を語り、そのアルバムからの曲”G.N.G.U. ”を演奏すると言った具合だ。

45分で6曲演奏し、15分ほど休憩を挟み2ndセットが始まった。
CDでは聞けないスタンダードの”How Deep Is Ocean”、ウェイン・ショーターの”Foot Prints”、チャーリー・パーカーの"Confirmation"などを演奏、”Foot Prints”はアレンジも工夫されておりバックも好サポートで、小橋ならではのカラーがよく出た演奏を聞かせてくれた。
なかでも、彼女がとても好きだというビリー・ホリデーの"Don't Explain "では絶妙な間、斬新なコード解釈、そして、強弱を生かしたアクセントなど表情豊かなインプロビゼーションに心を奪われた。

全体的には1曲の演奏時間が短く、ライブなのでもう少し長いアドリブを聞きたいと思った。内容の濃い素晴らしい演奏であったにも拘らず、一部の観客のお喋りが止まらず、鑑賞の妨げになったのは残念。
セットの最後に、彼女から、今度JazzPageに「アムステルダム・レポート」を連載しますとアナウンスがあった。12月からの連載が楽しみだ。

(2009.11.27)