10月18日、銀座・ヤマハホールで丸山繁雄音楽生活30周年記念リサイタルを聞いた。
丸山は、早稲田大学モダンジャズ研究会に在籍したころからインプロビゼーションを指向し、新しいボーカルスタイルづくりにチャレンジしてきた。
81年、初リーダーアルバム「A Young Father's Song」をリリースして以来6枚のリーダーアルバムを発表、ライブ活動を行いながら日大芸術学部で「ジャズ概論」 「インプロビゼイション」の講師をつとめるなど幅広い活動を行いボーカルのみならずJ-ジャズの発展に寄与してきた。

丸山の魅力は正統派ジャズボーカルで男性的な声量豊かではりのある声でバラッドからアップテンポの曲までオールラウンドにこなす本格的ジャズボーカルだ。
この日は、2部構成で第1部は長年苦楽を分かち合ったミュージシャン仲間で組織した丸山繁雄酔狂座をバックに"Night And Day""Caravan""Waltz For Debby"など得意のレパートリーを聞かせてくれた。
第2部は リサイタルならではの多彩な試みを行った。
本邦初公開というマッコイ・タイナーの「Real MacCoy」に入っている"Passion Dance"という難曲に挑戦、みごとなボーカリーズを披露。酔狂座とのコラボレーションもスリリングであった。
ジョン・ヘンドリックスを「先生」と呼んで憚らず、一度だけ同じステージに立って"Straight No Chaser"を共演したことを大切に記憶し、いつかリサイタルに出演してほしいと願っているとのことであるが、心の中でジョンと一緒に歌っている気持ちであったに違いない。
また、教え子である日大芸術学部の学生のコーラスを参加させハービー・ハンコックの"Maiden Voyage"ソウル・シンガー マービン・ゲイの"What's Going On"をインプロバイズ、実験的なサウンドを聞かせてくれた。

更に、サンバグループやダンサーまで登場し場内は学園祭ムードで大いに盛り上がった。
観客は、TBSアナウンサー吉川美代子がお祝いに駆けつけるなど丸山の熱心なファンや教え子の父母など2階席までぎっしりと埋まる超満員の盛況で出演者と観客が一体となり丸山繁雄の音楽生活30周年を祝った。
アンコールで、29歳の時に発表したデビューアルバム「A Young Father's Song」の"I Sing Samba""Over The Rainbow" を歌い一際大きな拍手が鳴り響いた。

丸山の真摯な人柄とインプロビゼーションへの絶え間ざるチャレンジを見せ付けた内容充実のリサイタルであった。
30年はひとつの区切り。ますますの発展を期待したい。 (2003.10.21) 丸山繁雄プロフィール

出演

 <丸山繁雄酔狂座>

丸山繁雄(Vo,Comp)山口真文(Ts.Ss)池田篤(As) 岡崎好朗(Tp)北沢直子(Fl)村石篤重(G)米田正義(Pf)横山裕(B)野崎正紀(Ds)中西匠(E.B)大西英雄(スルド)

く丸山繁雄 エスコーラ・サンバ>

くコーラス)
石毛美帆・金子千里・金安一葉・森山千鈴・山口佳子・黒須美貴・清水真由香・大竹玲奈

くパーカッション)
岡部量平(ヘピーキ)成尾梢(スルド)淡谷健司(カイシヤ) 武田郁(ショカーリョ)東条絢子(アゴゴ) 阿部玲(クイーカ) 東山絢(タンポリン)針ケ谷亜紀子(タンポリン)

くダンサー)
寺嶋マキ・柏木詩子・羽田祐子