米国で活躍している増尾好秋が3年ぶりに帰国し、ツアーを行った。
今回の来日は、2月に発売したリーダーアルバム 「Are
You Happy Now」のPRのため。
ツアーは全国12箇所で行われたが、私は最後の東京・青山にある「Do Do Bird」に聴きにいった。
「Do Do Bird」は地下鉄「表参道駅」から徒歩2〜3分といった交通便利な場所にあるジャズバーである。
以前は、六本木のテレ朝通りに面した場所にあったが、
オーナーの吉田忠興氏によると六本木再開発のために大家さんから立ち退きの要請があり、この地へ移転したとのこと。
店は、2つのゾーンに分けられ、ピアノを囲むロワー・ゾーンと、お喋りが出来るアッパー・ゾーンからなり、内装はセンスのいい落ち着いたつくりとなっている。
この日は、タモリなど早稲田大学のジャズ研OBや、増尾の昔の仲間が大勢集まり、
彼との再開を喜び合うなどリラクスした雰囲気での演奏であった。
メンバーはそれまでのツアーとは異なり、ベースに彼と気心のしれた鈴木良雄、ドラムスは村田憲一郎というトリオであった。
1stセットはスタンダードとブルース中心の演奏であった。
増尾はいずれの曲も絶妙なタイム感覚でシンプルで美しいソロを披露した。
一時プロデュース業に専心していた時期があったが、50歳というひとつの節目にあたったときに、
彼は再度ミュージシャンとしての原点に立ち返えるべくギタリストとしての活動再開を決意したという。
しかし、演奏を聞いているとそのような気負いは全く感じられず、彼の性格そのままの明るく気取らず心からストレートなメッセージを伝える
円熟したプレイを聴かせてくれた。
ベースのチンさんもEastBounceとは全く違った側面を聴かせ、美しい音色でメロディックなソロを行っていた。
聴衆の多くがプロまたはプロに近い人ばかりなので気合が入ったとのことであった。
ドラムの村田憲一郎も好サポート。
2ndセットに入ってアルトの渡辺貞夫が駆けつけ、店内のボルテージは最高に達した。
それもそのはず、70年代前半の渡辺貞夫カルテットの再現である。
演奏した曲も”Nostalgia In TimesSquare”や”Black Olphes”などなつかしい曲をサダオさんはドライブ感いっぱいのすばらしいソロを聴かせてくれた。
これだけのすばらしいメンバー、すばらし仲間が集まるのはまさに増尾好秋の学生時代から全く変わらない誰からも好かれるあたたかい人柄のなせる業である。
増尾好秋のミュージシャン復活に心からの喝采を送ろう。
年代ものの高級ワインを久しぶりに口にしたときのような幸せな気分に浸った一時であった。 (99.3.6)
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