
7月28日、新宿’J’でめったに聞けない飛び切りのライブがあった。まさにVSOP (Very Sprcial One Time Performance)。
ギターの増尾好秋の里帰りを狙いオーナーのバードマン幸田氏が仕掛けた夢の競演。公演のキャッチはJ25周年記念超特番”増尾好秋from NewYork special guest 渡辺貞夫”であったが、ベースに鈴木良雄、ドラムスに村上寛とまさに、70年代の渡辺貞夫カルテットの復活パフォーマアンスであった。
私は多寡をくくって公演の1ヶ月前くらいに予約を入れたのだが既にSold Out。キャンセル待ちを申し込んだがやっと2ndセットならなんとかというTELが3日ほど前に”J”から入った。
当日、8時45分ころ”J” に到着し、1stセットが終わりインターバルで店内はごった返していた。オーナーのバードマン幸田氏が特別に楽屋として使用している隣のカラオケ・スナックに案内してくれた。
サダオさんと増尾さんやチンさんなどメンバーが寿司を囲み談笑していた。あれっつ、ケイ赤城さんもいるぞ。
私は増尾さんとは10年ぶりくらいの再会になるが相変わらず少年のような顔でにこにこ。チンさんが私をサダオさんに紹介してくれサダオさんに挨拶。サダオさんはいつもの笑顔でヤーヤーと握手をしてくれた。しばし談笑したが貴重な休憩時間なので長居は無用と店に戻るが、まだ、自分の席が決まらない。やっと、補助椅子を準備してもらい開演を待つことになった。
2ndセットの始まりは9時30分と聞いていたが9時15分にメンバーが入場、待望の演奏が始まった。
"Almost Like Be In Love"でスタート。サダオさんはアルトのチューニングを行いながら徐々に気合が入った演奏に進んでいった。告知では増尾好秋がリーダーなのだが実際は当然のことながらサダオさんがリードしていた。当時のグループのレパートリーやジャムセッションでよく演奏する曲などいずれもジャズファンなら納得の選曲で間の曲名の紹介やおしゃべりは一切なし。1時間15分ぶっ通しで9曲も演奏した。
事前の打ち合わせなどほとんどなくお互いの個性を尊重し過去の記憶を辿りながらもいま瞬間のフレーズそしてメンバー個々のフィーリングをキャッチしインプロビゼーションを発展させていくというまさに純度100%のジャズを聞かせてくれた。
曲の構成を考えながら1曲1曲内容のある演奏を行ったのはもちろんだが、感心するのはセット全体の曲順の構成だ。中盤にバラードを演奏、サダオさん、増尾さん、チンさんとエモーショナルなソロに聴衆は完全に引きこまれ続く6/8拍子のエキサイティングなサウンドで店内は一気にヒートアップそしてボサノバでクールに決めるといった進行。
最後は70年代当時よく演ったバップのブルースで締めとなったが、聴衆はそれでは納まらない。アンコールに応えなんと”黒いオルフェ”を演奏してくれた。昔を思い出して胸がいっぱいになったのは私だけではないだろう。店内は割れんばかりの拍手。口々に自分が最高の演奏に立ち会えたことの喜びを語っていた。
バードマン幸田氏に感謝、感謝。(2004.7.28)