3月17日、新宿Jで 「中村善郎(vo,g)“ボサノヴァナイト”」を聞いた。
日本のジョアン・ジルベルトと呼ばれるボサノバギター、ボーカルの第1人者である中村善郎は国内ばかりでなく、ブラジルをはじめ海外のアーティストからも高く評価されている。
最近では、ピエール・バルーの協力によりフランスでレコーディングしたり日本ツアーで共演したり、また、アルバムでも自己の作品のみならず多数のミュージシャンのアルバムのアレンジやメンバーとして参加している。


この日のメンバーは、 井上信平(fl)八尋トモヒロ(perc)、それぞれの楽器を代表する名手だ。このメンバーではよく演奏しているとのこと。 

ライブは2セットで、A.C.ジョビンの名曲”フェリシダード ”” おいしい水 ”” イパネマの娘 ”などボサノバの代表的な曲をたっぷり演奏した。
中村のギターとボーカルだけの演奏やパーカッションの八尋とのデュオそしてフルートの井上が参加したカラフルな演奏までわずか3人と言う小編成であるにもかかわらず、変化に富んだ内容充実の演奏を聞かせてくれた。
中村のアコースティック・ギターとシンプルなボーカルはリオの暑い夏の日にあって木陰で頬を伝わる快い風を思わせる爽やかなものであった。
ボサノバ・ボーカル女性が多い中で中村の存在は大変大きなものがある。

パーカッションの八尋は中村の繊細なプレイに対しバックでのリズムキープに徹し、時たまブレイクで存在感を示すという慎ましいものであった。
フルートの井上も中村がボサノバを歌っているときは幻想的なオブリガートで引き立て役に回りソロの部分になると徐々に情感を高め、美しくメロディックなすばらしいアドリブで聞き手を魅了した。
各プレーヤーが奏でるタイトでグルービーなサウンドは久しぶりに生の音楽のすばらしさをしみじみ感じさせるものであった。(2004.3.20)