プロフィール

大森明(As)

1949年福岡県大牟田市出身。
高校時代よりプロ活動を開始。
その後国立音大、バークリー音楽院に学び、在学中からソロイストとして活躍。
卒業後8年間のニューヨーク滞在中チャーリー・ミンガスのレコーディング゛Me Myself An Eye″゛Something Like A Bird″に参加、79、82年のニューポートジャズフェスティバルに出演を初め数多くのミュージシャンとの共演を通して本格派ジャズメンとしてのスピリットをぶ。
83年バリー・ハリス、ロン・カーター、リロイ・ウイリアムスをバックに初リーダー作゛To Be Young And Foolish″を発表。
84年帰国後゛Back To The Wood″ではレイ・ブライアントを゛Trust In Blue″では、エルビン・ジョーンズをフィーチャーし、あくまでも正統派ジャズに根付いた作品と、ジャズ史における自らの位置付けを明確に示した活動姿勢は、専門家筋の間でも高い評価を受けている。
近年では前田憲男、猪俣猛、率いるオールスタービッグバンド゛THE KING″でも活躍。
2001年9月、13年ぶりにニューアルバム「プライムモーメンツ」を発表した。

PRIME MOMENTS

西暦2001年を迎え、Jazzも誕生以来約一世紀を経た事に成るが、改めてメインストリームJazzの有り方が問われる時代を迎えたとも言えるだろう。
JazzはBebop以降、リズム、ハーモニーそしてメロディーへの変革、それを第一目的にし、又それを義務として発展して来た訳だが、智するとそれは理論、技巧偏重の限られた支持者へのアピール、一般大衆性を無視した独り善がりの危険性を大いに孕んでいるとも思われる。一方、100%大衆のニーズに応えると言う、芸術性とは無縁の一過的娯楽音楽、大きくそのどちらかに分類出来るのでは無いだろうか。
「5,60年代まではこれが一体化してた訳です。パーカーにしてもマイルスも自分の芸術が一般大衆から離れていなかった。だから残るんです」大森
10年間の滞米で、チャーリー・ミンガス、リー・コニッツ、ディジー・ガレスピー等との共演を通して学んだもの、又帰国後の活動も一貫して大森のテーマはそこに有った。
過去の一連の大森のリーダー作「To Be Young And Foolish」「Back To The Wood」「Trust In Blue」を見ても、一貫した大森のこだわりを伺い知る事が出来る。
そこには紛れも無い純粋培養とも言うべきBebopへの傾倒、音色へのこだわり、パーカーイディオムに囚われない現代性、またそれを導き出すべく書かれたオリジナル曲は大いに特筆すべきであろう。
さて、今回のアルバム「PRIME MOMENTS」ではPianoを用いずGuitarに中牟礼貞則を起用しているところに大きな特色が有る。
中牟礼と言えば、日本Guitar界を常にリードして来た言わば大御所的存在だが、その世代的にも大きく離れた中牟礼との共演の真意は、「中牟礼さんは自分のスタイルを確立した日本、いや世界有数のアーティスト、5年ほどBig Bandでご一緒して、そのメロディー、ハーモニーセンスには常に感銘を受けていた、言わば長年の念願かなったと言う事です」大森
実際、Pianoを排し、オープンなスペースを作る事によって、大森も、より自由な表現が可能になり、見事にこのアルバムの特異性を際立たせている。
また各楽器それぞれに臨場感溢れる本来のアコースティックサウンドとも言える音がこのアルバムに収録されていることにも注目したい。
最後にBassの上村信、そしてDrumsのフォリス・フルフォードいずれもけして出過ぎず、しかし確実なサポートでこのアルバムの成功の一翼を担っている。