New York Style/Akiko Grace
2002年、名門SAVOYレーベルから「From NewYork」でデビューしたアキコ・グレース。
ジャズ専門誌で高い評価を得、いきなりトップ・ジャズピアニストの仲間入りを果たした。
以来、ライブハウスやジャズ・フェスティバルなどコンサートでは引っ張りだことなっている。
このアルバムはデビュー以来3作目でニューヨーク録音3部作の完結編というふれ込み。前作同様アキコの生き生きとした新鮮なサウンドに満ちている。
最近のミュージシャンはオリジナルの演奏にこだわりを持つ人が多いが、作曲の才能がある人はいいのだが、そうでない人の曲は聞いていてつまらない。
ジャズはアドリブだというが、テーマの出来が良くないとそのバリエーションであるアドリブも良くない。
その点、アキコは作編曲の才能が豊かで、当然のことながら彼女のオリジナルはアドリブも変化に富んで面白い。
今作では12曲中オリジナルは4曲と控えめで、ロックからフォークソング、モダンジャズ・スタンダード、クラシックと幅広い素材を選んでいる。
1曲目のバン・ヘーレンの"Jump、オリジナルのアップテンポの"Chromazone"とバラッドの"Breathe Out"はキース・ジャレットを想わせる牧歌的なサウンド。そうかと思えば、ジョン・コルトレーンの"Transition"ではシズルを強調したシンバルを想わせるエフェクトをバックに鋭いメロディーラインでパワフルな演奏を行うなど、アキコの視点で独自のサウンドを聞かせてくれる。
繊細なピアニシモから力強いフォルテシモまで表現力も格段に増している。選曲や曲順もアルバムとしての飽きのこない構成となっており、極上のアルバムが出来上がった。