バルカン・ブルー / ダスコ・ゴイコヴィッチ バルカン・ブルー / ダスコ・ゴイコヴィッチ
ワードレコーズからenjaレーベルの名盤が高音質のSHM-CDで再発売された。第1弾がダスコ・ゴイコヴィッチの5タイトルとエルビン・ジョーンズの4タイトルなどだ。SHM-CDはユニバーサルミュージックと日本ビクターが共同で開発した新しいCDで従来のCD素材と別種の液晶パネル用途のポリカーボネート樹脂を使用し、透明感のある音質を実現したもの。実際に聞いてみてその音のよさにびっくりした。70年代はじめ、デジタル・リマスタリングのレコードが登場した時と同じような衝撃だ。私は、それまでクリフォード・ブラウンは録音も悪く余りよい音ではないので好きになれなかったのだが、デジタル・リマスタリング盤を聞いてからその輝かしい音を再認識し好きになった経験がある。SHM-CDも同様で、それまでダスコ・ゴイコヴィッチのトランペットは線が細くおまけにメロディーもマイナー調が多いためにあまり好きでなかったのだが、本作を聞いてそれが誤りであったことを思い知らされた。これほど音色に艶があるとはまったくの驚きで、しかも、ビッグバンドと共演しても負けないボリュームを持っていることがよく判ったからだ。DISC1『スコビエの夜』でのテナーのジャンニ・バッソを加えたクインテットで快調なハードバップを聞かせ、DISC2『バルカン・ブルース』でのNDRフィルハーモニー楽団とのコラボレーションでのすばらしいリーダーシップとソロイストぶり発揮している。オーケストラとトランペットとのコラボレーションではマイルス・デビスとギル・エバンスの「スケッチ・オブ・スペイン」とディジー・ガレスピーとラロ・シフリンとの「新大陸」が有名だが本作の『バルカン・ブルース』はそれらに勝るとも劣らない傑作だ。ダスコの生涯の代表作。


ダスコ・ゴイコヴィッチのSHM-CD

 

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