魅せられし心 / 西田あつ子
関西で活動している実力派シンガー、西田あつ子のファースト・アルバム。西田は、8年間ニューヨークに在住、グリーンカードを取得し旅行会社に勤務し英語力を鍛えながらシンガーとしての活動をしていた。このアルバムは、当時懇意にしていたと思われるマーク・ソスキン(Pf)のサポートを得、ハービー・S(B)、ビリー・ドラモンド(Ds)、スティーブ・スレイゲル(As)のバックで本格的なジャズ・ボーカルを聞かせている。アルバムづくりの場合、選曲が重要だが、特に、ボーカルの場合はスタンダード中心になるのでなおさらだ。このアルバムでは、ホレス・シルバーの「ロンリー・ウーマン」、ドン・メイヤーの「フォー・ヘブンズ・セイク」など日頃ボーカルではあまり取り上げられない曲を歌っている。どこかで聞いたことのあるメロディーだがこんな歌詞だったのかとジャズ通にも興味を持たせるうまい選曲だ。彼女の歌は哀愁を帯びた声で、控えめな歌い口がいい。英語の発音もネオティブに近いものでニューヨークの香を伝えてくれる。バックのミュージシャンのソロも当然いい。会心のジャズ・アルバムだ。