SAKURA / 大野俊三 SAKURA / 大野俊三
米国在住のトランペッター、大野俊三の3年ぶりのニュー・アルバム。”さくらさくら””赤とんぼ”など日本の歌曲をはじめ、”スカボロ・フェア”などポップスまで幅広いジャンルからの選曲で大野ならではの美しく叙情的なトランペットを聞かせてくれる。彼は、10年前交通事故で顔面、唇を損傷するというトランペッターとして致命的なダメージを受けたがそのことを全く感じさせない見事なプレイだ。今日の海外を含めたジャズ・トランペット・シーンで彼ほどの厚みのある輝かしいトーンの持ち主は数少ない。ミュート・プレイでも音が細くならないのがすごい。テーマのフェイクだけでハートを伝えられる稀有の存在だ。アレンジは野力奏一が担当しているがマービン・ゲイのヒット曲”ホワッツ・ゴーイング・オン”でのパーカッションを生かした演奏など新生ブルーノートのフレディー・ハバードのフュージョンを想わせる魅力的なサウンドを聞かせる。会心のアルバム。

Jazz Page