トップ・ギアー / 土濃塚隆一郎実力派トランペッター、土濃塚隆一郎の4作目のアルバム。進境著しい土濃塚の力量が遺憾なく発揮された入魂のアルバム。前作「FOR LOVERS」では急速調の曲でエモーションとテクニックがちぐはぐな感じであったが、本作ではリップ・コントロールに磨きがかかりフリューゲル・ホーンがスムーズによく鳴っており、ハイノートもすばらしい。彼の演奏スタイルはフレディー・ハバードの流れを汲むものだが、歌心、馬力、音の艶、キレなどハバードを彷彿させるものがある。オリジナルの”BLACK BUTTERFLY”やハバードの”GIBRALTAR”そしてハービ・ハンコックの”CHAN’S SONG”と冒頭から圧倒的なパワーで聞き手をノックアウトする。また、本作では、作編曲でも非凡なところを感じさせ、波の音をイントロに使用した”寺泊”や椎名林檎の”丸の内サディスティック”などでは美しいジャズを聞かせてくれる。ダブやラップなどクラブ調の演奏も加えるなどやや雑多な感じもするが一皮むけた土濃塚の魅力が満載。秀作だ。 |