トリコ・ロール / 渡辺香津美
トップ・ギタリスト、渡辺香津美のニューヨーク録音の最新作。ニューヨークのライブハウス<イリジウム>からのオファーで昨年10月に出演したニュー・トリオのメンバーである若手実力派でロンドン出身ベーシスト、ヤネク・グウイズダーラとマイアミ出身でニューヨークで活動しているドラマー、オベド・カルヴェールに加え、モバップ・トリオでの強烈なプレイで知られるドラマー、オラシオ・エルナンデスも参加している。オベドとオラシオは4曲づつ演奏しておりオベドのキレのよいドラミングとオラシオのパワフルなドラミングという2つのサウンドを楽しめる。渡辺のプレイは彼らのドラム・スタイルを生かし、オベドとはファンタジックで色彩感のある演奏、オラシオとはダイナミックな演奏で圧倒する。書き下ろしの3曲を含む自身のオリジナル5曲にジャズメン・オリジナル2曲などカヴァーを4曲取り上げており、1983年の「Mobo」での”Shang-Hai”やYMOの代表曲”Rydeen”の再演などファンにはたまらない選曲。演奏は、音数を沢山使い超絶テクニックで泉のように湧き出る煌びやかなフレーズで魅了する。また、リー・モーガンのオリジナル”Sidewinder”では、原曲の躍動感はそのままに別の曲かと思うほど新しいサウンドに変身させている。”Algorithm”ではバピッシュなフレーズを使用したり、ジョン・コルトレーンの”Moment's Notice”では4ビートで快調に飛ばすなどジャズの伝統もしっかりと踏まえている。傑作。

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