
実力派ピアニスト、斉藤真理子のCD「ソー・メニー・スターズ」発売記念ライブを渋谷・JZBratで聞いた。
斉藤は、1995年から2000年にかけて小林陽一のグッドフェローズに参加、4枚のレコーディングを行ったり、松島啓二、岡崎好朗、岡淳、三木俊夫、嶋友行などに混じって全国をツアーを行うなどキャリアを積んできた。 最近では、都内のホテルやライブハウスでの演奏活動を行っている。
「ソー・メニー・スターズ」は、斉藤の2枚目のリーダー・アルバム。
この日のメンバーは、CDでも一緒に演奏している佐々木悌二(b)、広瀬潤次(ds)というJ-ジャズの腕達者が参加。2セットの公演であったが私は1stセットを聞いた。
演奏は、1stアルバム「ヴォイス」から”Scramble Egg”でスタート。4ビートにのって軽快にスイングする斉藤のピアノプレイに即引き込まれる。斉藤はバド・パウエル スタイルの正統派で左手でコードを挿入しながら右手で空間をシングル・トーンで敷き詰めるという奏法。ピアノ、ベース、ドラムが三位一体となり最高にスイングする。
2曲目は、一転してスローな曲。アルバムのタイトル・テューン”So Many Stars”。ドラムの広瀬がブラシを使用したり手でスネアをたたくなど斉藤のしっとりと情感豊かなソロを引き立てている。
JZBratではライブの都度出演ミュージシャンに因んだカクテルを作っているが、この日は”So Many Stars”と名づけたブルーのカクテルが紹介されていた。
3曲目は、なんとハーバー・ハンコックの”Dolphine Dance”。浮遊感漂うイントロからあのメロディーが聞こえたときは思わずビックリした。CDには収録されていない曲でバド・パウエル スタイルを得意とする斉藤が演奏するとは思えなかったからだ。彼女はハービー・ハンコックがフェイバリット・プレーヤーなのだそうだ。
ハービーがよくやるようにリズムやノリを変化させながらインプロビゼーションを展開、ドラムの広瀬とのインタープレイがすばらしく実にスリリングな演奏であった。
4曲目は”Good Bye”。アルバムでは当然最後の曲にしているがこの日は途中で演奏、何となく変な感じ。しかし、演奏はメランコリーで聴衆は聞き入っていた。
最後は、”Identity”。アップテンポで斉藤らしいドライブするプレイと広瀬のドラムソロで聴衆を圧倒した。

演奏全体はCDと同様いわゆるド・ジャズでコア・ファンには納得のいく演奏であったが、一般の人には必ずしも受けない内容だ。もう少し演奏に変化をつけたりメンバーとのあそびの部分があってもいいのではないか。特に、ライブではリラックスした部分もほしい。
今後はすこし羽目をはずした演奏も聞きたいものだ。(2005.6.4)
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