ベテラン・ジャズシンガーの上野尊子の門下生である中村真理子と成瀬ふみ子のジョイント・コンサートが文京シビックホール小ホールで1月16日に行われた。
中村が日頃気に入っているシビックホールで是非コンサートをやりたいと思い、申し込んだら抽選に当たったのだそうだ。
新人のコンサートとしては充分すぎるほどのすばらしい会場であるが、これに相応しい内容にしようと案内のパンフレットや当日の配布物など実に行き届いたもので手づくりと思えない準備のよさだ。

肝心の中身であるが、当日は知人、友人など多数が来場、ピアノ・福井友美、ベース・片山勝義、ドラムス・久米雅之のトリオをバックに日頃の練習の成果を披露した。
プログラムは2部構成で、S'Woderfulでスタート。中村と成瀬の二人が登場しドュエットを行う。その後、中村が3曲、成瀬が3曲歌った。
中村の声は丸みのある柔らかい感じで成瀬のシャープでアクセントをつけた歌い方と対照的であったが慣れないせいか二人とも硬さが目立った。
その後、 師匠の上野の登場、"Do You Know What It Means To Miss New Orleans""Love For Sale"を歌いベテランのうまさを見せつけた。

2部に入ってやっと硬さがとれ、二人の実力が発揮されてきた。
1曲目は3人が登場、"We've Only Just Begun〜愛のプレリュード〜"を中村がメロディー、上野と成瀬がハモをつけるというアレンジであったが、中村の声量豊かに情感を込めての歌い方は素晴らしかった。一方、成瀬はスインギーな"Mack The Knife""How High The Moon"などで小柄に似合わずパンチのある歌い方でジャズボーカルを楽しませてくれた。
最後は再び二人の登場でS'Wonderfulで締めとなったが、ここでサプライズがありますと中村から発表があり、上野尊子の誕生日ということで来場している門下生10数人も登場し"Happy Birthday"の合唱、花束の贈呈となった。
今回の二人のコンサートの成功に味を占め、来年は自分達もやろうと他の弟子達も思っているのではないかと上野のコメントがあったが熱心な新人をあたたかく指導・支援する上野のあたたかな人柄を感じさせる心温まるコンサートであった。
今後彼女達が大きく成長することを期待して止まない。(2004.1.17)